いつも遠くから眺めているものの内部に潜入するというのは、なかなか興味深い。
うちのスタッフが、いつも撮影などでお世話になっている雑誌「ガールズ・スタイル」の10周年記念のショーに出演ということで、到着したのは「NANBA HACHI」。四ツ橋筋と千日前大通りの角に位置する、FM大阪の入ったペンタゴン(5角形)な建物。
いつも、眺めているだけなんですが、近くに行くとそのデカさが半端でない。ビルの5階くらいの高さから難波の街を見渡すとなかなか爽快。階段がきついし、転げ落ちたらひとたまりもないけれど。
関係者の入場PASSを、首からぶら下げバックステージへ。ステージやリハーサル中の会場をぐるり見て回り、モデルのK下さん(いつもありがとうございます!)とヘアの奥谷、メイクの西村の顔を眺めに行かせていただく。
ヘアのデコレーションからすべてをスタッフで手作りしていたね。可憐な笑顔のK下さんの仕上がりを見て、安心。そっと部屋を出た。邪魔はよくない。ピリピリ。
読者モデルの方々。AKBみたい。
たくさんのスタッフや、モデルさんをみるにつけ、ひとつのことを作り、やりきる難しさを思う。みなさま、おつかれさまです。
開演時間が近づくと、ドンドコ、人が押し寄せて若者で溢れていく。うちのスタッフもつぎつぎに顔を見せ始め、会場内に吸いこまれていく。
レーザービームが天井を照らし、打ちこみのビートのリズムが空気を揺らす。オープニング・アクトの唄が始まり、各ブランドがしのぎを削るファッション・ショー、ゲストの近藤夏子のステージ。
そして、雑誌掲載のサロンによるヘアショー。
ANTENNEの文字が、巨大モニターに映り、K下さんが笑顔で花道を歩く。その間、20秒ほど。その後、奥谷、西村、K下さんが3人でステージに。
何日もかけて、企画し、仕込みをして、当日も朝から詰めて仕込み。その長い時間のプロセスを知っているだけに、瞳孔がひときわ開く。日の目を浴びるのは、トータル1分ほど。
ああ!
ものの哀れを想う。
ステージが、終われば、もう次のことを考えなければならない流行りものの世界。
つねに川は流れ、一瞬たりともとどまることをしない。ファッションとはそんなものである。
人生において、ステージの上で、スポットライトを浴びれる人間はそう多くはない。
暗がりから、輝くステージを見上げるのか、そこから見渡すのか。何を感じ、なにを学んだのか、ふたりには明日聞いてみたい。
残るものがあるとしたら、それは、その瞬間、そこに確実に立っていたという自分への自信のみだろう。
ぐっすり寝て、身体を休めてください。本当におつかれさまでした。