突き進め

芦屋のサロンが、いつになく熱かった。

 

日曜日、芦屋にて辻・佐竹両ディレクターと3人で、五十嵐くんのスタイリスト昇格のテストをさせていただきました。

規定の人数のカットモデルをこなし、そのうえで基準値をクリアした証明を店長以上のひとにもらって、はじめて昇格試験の運びとなります。五十嵐君は、西田さんといっしょにモデルハンティングにいって、西宮ガーデンズで始めてこの方とお会いし、今回のモデルさんとして来ていただいたわけです。

来ていただいたモデルさんのヘアーをみて、私の方が頭をかかえました。一目でクセ毛でらっしゃるのがわかりますし、毛先もハイダメージ。「これは、むずかしいぞ」という印象でした。全国大会で優勝した高校生チームが、レアル・マドリッドのレギュラー選手に試合を挑むといったら解ってもらえるでしょうか。相撲でいうなら、序二段のかけだしが、横綱に挑戦するといった状況です。

 

固唾の飲んで見守る中、カウンセリングに13分ほど。髪質を考慮して、規定時間を1時間10分に設定してスタート。途中、会話がほとんど出ない。かなり困惑した様子。自然、モデルさんの表情も硬くなります。佐竹・辻も心配そうに見守ります。

予定より10分ほど早くに終了。結果は・・

 

 

合格!おめでとう!

 

 

これだけのくせのある髪を、よく収めたと思います。全体に後ろに向って流れる生えクセがあり、サイドが軽くて後方がとてつもなく重くなるのを、後ろをボックスカットで前下がりして、サイドに髪がいきやすく収めたわけです。

自分のことのようにうれしい!この道で、がんばってきた生きがいはこういうことかなと思います。とはいっても、これからが本当の勝負。お客様の支持がなければ、ただの人に過ぎません。自分の道を信じて突き進んで欲しいと思います。

夢が持ちにくい時代となったことは否定できないですが、だからこそチャンスはある。常々、スタッフには言っているのですが、開かない扉はなく、明けない夜もない。センスと技術は、別のラインであることを理解して、深い知識、経験値、人間性を磨けば、怖いものなどない。人とは違う何かを身につけること。そして、最後はいかに、その方を想い、考えるかに尽きると思います。

 

最後に、五十嵐くんからのメールで締めくくりたいと思います。

 

「お疲れ様です!
今日はカットモデルテストありがとうございました。
ようやくスタートラインにたつことができました。今まで長い間育てていただいてたんですが、自分で足踏みしてしまってて、たくさんご迷惑をおかけしてしまったので、これからは自分に負けずきっちり目標設定を行い、それにむけて精一杯やりきる精神でがんばっていきますので、またこれからもよろしくお願いいたします。」

 

 大丈夫。君ならやれる。みなさまからのご指導、援護射撃、よろしくお願いいたします。