梅雨の走りでしょうか。全国的に不安定な天気。晴れたと思ったら雨が降り出したり。
そんな中、三田のサロンに1年半ぶりくらいにひとりのお客様が来てくださった。
Aさんと呼ばせていただくことにします。
Aさんは2年前、乳がんの宣告を受けられた。そこから手術、抗がん剤治療とこの一年、たいへんな体験をされた。
1年前、手術の成功を祈り、スタッフといっしょに、千羽鶴を折らせていたんです。手術が成功したとお聞きしたときは、本当にホッとしました。
10年以上、担当させていただいているお客様ですから、お互いに性格やお家の事情なども存じ上げているだけに、この来店にはこみ上げてくるものがありました。
久しぶりに、切らせていただく髪は、抗がん剤で一度、抜けていまい再度、生えてきてようやく形になり始めたというところ。綺麗なロングのヘアがベリーショートになっているのにも、さまざまな思いが胸をよぎります。勤めて普通に接していましたが、しばらくかける言葉を失いました。
「ようやく普通に、外にでれるようになって、普通に生活することがうれしくて仕方がない」
当たり前のことが、当たり前でない現実。その言葉の裏にある出来事のすべてを思うと、胸が熱くなります。
カットが終わり、お見送りして、しばらくしてからメールをいただき、その中に添付してあったのがTOPの写真。
2重の虹。主虹と副虹というらしいです。
天も彼女を祝福しているのかなと。再会できた喜びとともに、この仕事のありがたさをしみじみと感じた昨日でした。
■主虹(しゅこう、しゅにじ)、または1次の虹と呼ばれるはっきりとした虹の外側に、副虹(ふくこう、ふくにじ)、または2次の虹と呼ばれるうっすらとした虹が見られることがある。主虹は赤が一番外側で紫が内側という構造をとるが、副虹は逆に赤が内側、紫が外側となる。