はじめてのコミュニィティの中に入っていくことは、なかなか緊張を要する。
初めての土地で、予備情報なく、表には扉しかなく、中の見えない高そうな鮨屋の引き戸を開けるみたいな。
さすがにこればかりは、あとの展開が読みづらい。しかめっ面の頑固親父のうんちくに愛想笑いを浮かべながら、それほど旨くもない寿司に高額な請求をされるのか、その土地で朝あがってきた、思ってもみない新鮮で鮮烈なネタと的確な仕事、さりげなさのなかに見え隠れする気づかい、そして気持ちの良い笑顔と会話で、幸福感に包まれて、その出会いを神に感謝するのか、こればかりは扉を開けてみないと分からない。
昨夜の出会いは、後者であった。
待ち合わせ場所に、探しながら、迷いながらたどり着くと、温かい笑顔の仲間がたくさんいた。いたるところで佐野元春に出会う。もちろん自称、佐野元春である。会長のTOMOさんのヘアを見てまず驚く。グレーヘアのカーリー。そう、最近の佐野さんのヘアである。鼻孔にかかる、ボソッとしゃべる語り口もそのまま。予想はしていたが、口をあんぐりさせてしまう。
メンバーはチームワークがいい。率先して、みんなお手伝いをし、物を運び、準備をする。
そしてひとたび、ライブが始まると、手拍子、拍手、歓声。怒涛の5時間であった。みんな笑顔。元春の音楽に共感し、同じ嗜好の仲間たちに包まれる幸福感。東京では、すでに数回、開催されていますが、関西では初めての会。
佐野元春のファンの方々の結束は固い。そして温かい。ナイアガラー世代は、長年の経験と成長を繰り返し、確実に育ち、円熟味を増しているなと実感した。大瀧師匠のお創りになられた流れは、山下達郎や伊藤銀次さんや杉真理さん、そして佐野元春さんに受け継がれ、大地に雨がしみこみ、無数の植物が芽を出すがごとくに増幅を繰り返す。
いまは、CDが売れない。生きている生の息遣い、ライブを媒体としたコミュニティの時代だとつくづくと思う。デジタルなぶつ切れの音ではなく、なめらかなアナログの倍音しか、人の心に届かない。
主催のTOMOさんの皆さんをまとめ、企画し、実行していかれるご苦労には頭が下がる。特に、スタジオJBLのミキサーの方にはお世話になりました。関係各位、この場をお借りして再度、御礼申し上げます。いやー、楽しい夜でした。
バンド仲間と、宝塚までもどり、南口のサロンの近くのバー小林で反省会。いつになく盛り上がった。こばちゃん、ありがとう。
そして、今日、日曜日は、元バンドメンバーの結婚披露パーティ。ヘアと歌を唄わねばならない。ルパン3世のテーマを、唄っておられたチャーリーさんのお店にて。「足元に、からみぃつく〜♪・・」の、あの歌声が生で聞けそうだ。
続いて、来週19日は、芦屋のレフトアローンライブ。夏のロードが続く。
がんばっていこう!
■写真が、まだ手元になくて。しばし。すぐにアップします。
■□■ ANTENNE □■□
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