蕎麦、大好き!

::好評につき食べ物特集::

「最後の晩餐」に何を食するかは永遠の課題だが、私の場合おそらく[和」の懐石になるだろう。
もちろん、その中に蕎麦がはいっていなくては、棺おけからもう一度ムックリ起き上がりそうである。

昨今、MEETSなどの情報誌だけでなく、ファッション誌などでも食通の間で話題になるような特集が組まれるようになった。良し悪しは別として。

僭越ながら蕎麦にたいして,
日頃感じていることを書かせていただこうと思う。

私が蕎麦屋に求めるものは、まず三たて。
「挽きたて、打ち立て、茹でたて」である。
香りが大切であるし、のどごしの食感がものをいうからだ。

小難しいことを書くつもりはないが、侘び寂び(わびさび)に通じるものがあろう。

まず、一、二本タレをつけずに口の中で香りと食感、味をかみ締めることから。
口に入る少量の蕎麦の先だけに、かえし(タレ)をしたし、一気にのどに送り込む。
よく見かけるつゆにワサビを溶かし込んだり、どっぷりとつけてズルズルはご遠慮願いたい。無粋なことになるだろう。

ワサビや薬味(大根おろし、ねぎなど)はそばにすこしだけからめ直接舌で辛味を感じる方が旨いし、美しいと思うからだ。

そして、最後の一本まで、セイロや皿に残すことなくいただくことにしている。きちんと蕎麦をうつのがたいへんであることを知っているからだ。いいなと思う蕎麦屋が急に閉めてしまうのは、主人がからだを壊すパターンが多いように思う。短時間で、力を集中しなければよい蕎麦は打てない。

蕎麦教室に通いかけた私が実感として感じてきた。うつのはたいへん。力が要るしね。うどんのように時間をかけれないから。30分ほどで打ち上げなくてはならないんです。

蕎麦は好みもあろうが、冷たいものをいただく方がその滋味をうまく吸収できる。
ルチンと呼ばれるポリフェノールの一種はさめた状態でないとにげてしまう。寒い冬には暖かいそばもおいしいが、やはり冷たいのが1番である。後で蕎麦湯をかえしに混ぜていただけば十分からだは温まるしね。

さて、参考までに私のよくいく近郊のお店をご紹介させていただきます。
敷居の高いお店、気軽な下町のお蕎麦屋さん、タイプはいろいろありますが、順不同です。

■大正庵(苦楽園店にかぎる)うどんもある普通の蕎麦屋。自宅より近いのでよく愛用。2:8(ニハチ、小麦粉2にそば粉8の割合)で皮の入った少し黒い蕎麦。かえしは辛め。お値段良心的。

■三好(逆瀬川)2:8 さらとおろし、山掛けなどの蕎麦をわけて蕎麦切りしている。大阪の老舗うどん屋「今井}で修行されたご主人はなかなかの男前。モダンな内装ですが、落ち着けます。「天もち蕎麦」いいですね。

■深川(伊丹市)2:8 一軒屋で静かにいただける。庭が広く、雰囲気がある。
天ぷらもうまい。

■そば辰(西宮市)2:8関西で東京そばが楽しめる。敷地が広く、喫茶も併設。
白い蕎麦に甘めのかえし。上品です。かなり凝った定食もあります。小津の映画に出てきそうな風情がある。年越しはいつもここのお持ち帰りです。

■臼[ウス](三田市)10割 そば粉だけで打ったとは思えないお蕎麦です。脱サラのご夫婦が切り盛りされています。かなりのこだわりです。

■土讃人(芦屋市)2:8、10割 流行ってしまって最近はご無沙汰です。多分まだまだ混んでいるでしょう。そのときは夙川の「侘び助」へ。同門です。

■五光(川西市)2:8 庶民的な何でもあるおそばやですが、蕎麦は確かです。かも汁も美味しいです。値段も良心的です。

宝塚なら「そば善」「中村」、西宮なら「八雲」「夢打ち庵」などいい店がまだあります。
こんな蕎麦屋もあるよという方、ぜひお教えください。

「藪」「砂場」「翁」「更級」など老舗はやはり行く価値ありです。場所にもよるようですが。
「ろあん松田」など郊外にも優れたお店がありますね。

本当にお店が増えた。美容院ほどではないが。

ますます質が問われる時代です。