ご縁で人は・・   スーベニア アゲイン 竹内まりや

走った!息も絶え絶えで、倒れそうになりながらも、前に足を踏み出して。

合気道やわんこの散歩で走ることはあるが、カバンを背中に乗せて、飛ぶがごとくに大阪城ホールに続く石畳を息も絶え絶え、全力で疾走しのだ。3回トライしてとれず、4回目にしてようやく手に入れたプレミア・チケットである。

ことの発端は、水曜日の芦屋合気会の忘年会に遡る。焼き鳥「のんちゃん」の女将T野さんが合気道の先輩で忘年会は最近、ここで行われる。四時半からの会で、最初の30分、乾杯だけでもと参加したが、パテを載せたオードブルから始まり、鳥の刺身、焼き鳥、唐揚げが美味すぎ、私だけのためにおにぎりと赤出し、漬け物盛り合わせまでご用意してくださり、つい長居をして、これが災いした。JR三ノ宮に着くと、ドアの開いた列車が。今思えばこれに飛び乗るべきだった。

6時半の開演なのに、梅田で6時10分。環状線に乗り換えなんとか間に合いそう。ホッとしたのもつかの間。社内アナウンスで「この電車は点検のため京橋止まりです」と冷酷で非情なな声が。ええっ。環状線では、あり得ない事態だろう。東シナ海の孤島、尖閣の磯の岩にひとり残され、しぶきを浴びながら佇むカモメの心境。ホームで、地団太をふみつつ、ツインタワーの上空から、俯瞰したそんな絵を思う。

 

で、最初のシーンにもどるわけなのですが、チケットを渡して会場に入った段階で、会場内から、演奏の地響きが聞こえてきた。

「しまった。やってしもた!」

↑15分間の休憩中の会場

暗闇の中、誘導されようやくたどり着いた席で、演奏しているのが、竹内まりあさんでなく、杉真理さんのバンド、「ボックス」であることを知らされ安堵のため息をついた。杉さんには失礼な話しだが。杉さんのオープニング・アクトが7曲続いた後、15分の休憩。実際は20数分は待ったと思う。そして、十年ぶりのステージ「スーベニア・アゲイン」が始まった。

とても50代には見えない。30代といっても過言でないほどまりあさんは、本当に美しく輝いていた。スパンコールのキラキラ光るジャケットに、純白のドレス。毛先を巻いて、トップを高くして60年代風にしたヘアが決まっている。フェンダーのサンバーストのテレキャスターを弾きながら歌う姿は、78年に関大の学祭で見た彼女の姿となんら変わらなく感じるほどである。いや、今のほうが数段魅力的だ。

バンドメンバーは、コーラス以外は山下達郎のツァーメンバーと同じ。まりあさん自身曰く「日本で最高のバンド。そしてノーギャラで達郎を使えるこの私のコンサートは、普通のケンタッキー・セットがクリスマス特別メニューのバーレルに代わったくらいの価値がある」と(笑い)。まさにそのとおり。ドラム・小笠原拓海、ベース・伊藤広規、ギター・佐橋佳幸、キーボード・難波 弘之・柴田俊文、サックス・土岐英史、そしてバンマス・サイドギター・コーラスはいわずと知れた山下達郎という現在考えられる最高のオールスター・バンドである。

演奏も、選曲も最高。私が自分のライブでも歌った氏安部 恭弘の「五線紙」も歌ってくれました。最近のケンタッキーやサントリーのCMソング「ウイスキーがお好きでしょ♪」や往年のヒット曲「駅」、「象牙海岸」なども聴かせてくれました。

Takeuchi Mariya – Medley

Takeuchi Mariya

特にMCが、セクシーで上品な大人な魅力に溢れていた。当時のエピソードをたくさん語ってくれました。芸能界に入ったきっかけ。人との出会いによって、導かれ今の自分があること。そのご縁に対する感謝の気持ち。

初めて、渋谷のインストアライブで達郎を見たときのの印象。

「話題のバンド、シュガーベイブ。明るくてホップな楽曲の『ダウンタウンへくりだそう〜♪』なんて、実際にみたらオタクで暗そうな人が唄ってるんだ―。でもまさか、その4年後にその人と結婚するとは?!」「その同じ渋谷のインストアライブを、自転車で自宅から駆けつけた中学生の少年、ギターの佐橋クンもみていて、今こうして同じステージに立っている不思議を思います」と。

育児を経て、他のアーチストに楽曲を書いたり、10年に一度くらいのペースでコンサートをやれている幸せな状況に対する感謝など。数曲のアンコールの後、達郎と二人でデュエットでクリスマスソングを歌い、歌詞を忘れたまりやさんを、達郎が手を肩にかけ励ますシーンなど素晴らしいシーンの連続で、感激なんてひとことの言葉では表せないほど。

長く生きるといいこともあるものです。

これで、年末まで頑張れる気がしました。

ありがとう、達郎、ありがとう、まりやさん!いつまでも、仲良くお元気で。

 

 

 

 

■□■ ANTENNE □■□

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