「理系の人は、研鑽を積み上げ、繰り返していくなかで、どんどん先細りの狭い世界に入っていってしまう」とは、物理を教えておられる全国的に有名なY予備校の有名講師のSさんのお言葉。
わざわざ、長野県からカットに来てくださった。ありがたい。
でも、時代は、理系の人たちを重んじ、テクノロジー偏重の風潮だ。10年かかっていたものが、半年で塗り替えられてしまう時代。それは、ますます加速し、技術革新の波は止めようがないが、日本の企業においては、10数年前の輝かしい栄光の時代は遠く、精彩を欠く気がするのは私だけではないだろう。
今朝のTVで、日本の家電業界が、黒船家電に席巻されつつあるという特集をやっていた。iPhoneやダイソンの掃除機あたりから始まって、プロペラのない扇風機、ガスコンロで3〜5分はかかっていたお湯を1分ほどで沸騰させるケトル、ルンバの進化形で床を水拭きするお掃除ロボット、パスタからうどん、日本蕎麦まで自在に打てるパスタ製造機などなど。多機能であるよりも、ひとつの機能を重視したコンセプト。壊れにくく、安価であること。
日本のメーカーは、このあたり消費者のニーズが理解できていない気がします。
理科系の方が陥りやすいピットフォール。
型にはまったテクノロジー・オタクに共通する「ヒトよりもモノに興味があり、感情の情緒理解に欠け、正確無比であることを好み、物語構造を理解するような文学的素養の欠如。
お客様に直接触れ、技術と接客の仕事である美容師も同じように、「髪の毛はこういう性質のものだから、こうせねばならない」、「このお客様は、こうおっしゃっているので、こうすることが正しい」と、自分自身を肯定するため(肯定しないと決断ができない)、自分自身を型、限定された枠組みにはめてしまう傾向があるように感じます。おひとり、おひとり考えておられること、趣味嗜好が違うはずであることを忘れて、柔軟性が乏しくなっていく。
殻を破り、全く違った発想で物事を考え直す「リフレーミング」が必要のようです。
同じ物事でも、人により見方や感じ方が異なりある角度から見たら長所、また短所にもなる。
未開の地に足を踏み入れ、裸足の原住民をみて「裸足だから、靴は必要ない」と考えるか「これは、靴がバンバン売れる」と考えるか。その違いは、書くまでもないでしょう。
それにしても速度が速すぎる。
技術進歩の速度を表すたとえ話、「1903年にライト兄弟が飛行機による有人動力飛行に成功した様子を、原っぱで見ていた子供が、大人になりTVでアポロ11号の月面着陸を見る」が、かなり長く、遅く感じられるほどに。数倍の速度で技術革新が、進んでいく昨今。
電話が、地上線から携帯電話に。そして、LINEやスカイプに圧されて、NTTもかけ放題のサービスを始めた。
ガソリン車からハイブリッド。そして、プラグインハイブリッドへ。
近い将来、水素を使った発電システムに切り替わるのは間違いない。
いまの子供たちが、火星への有人ロケットの打ち上げを見ることは、いつごろになるのだろう・・。
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