冷たい風の中、自宅に帰ると、ワンコが迎えてくれた。
挨拶代わりに、身をスリスリしてくれる。家はやっぱりいい。
おや。リビングに見慣れない物体が目に入った。楽器のケースだ。それも木管楽器。そういえば、家人が昨日言っていたことを思い出した。
「知人の計らいで、新しいサックスを購入する」って。それがこれか。
つやのある濃紺のケース。流線形のそれは、いかにもよさげに映る。
レンタルでヤマハを吹いてはいたが、ついに・・・。
ケースを開けて、さらに驚く。セルマーである!!
アルトサックスなら、ヤマハやヤナギサワでもよいものがあるが、サックス奏者の憧れといえばセルマーだろう。
服でたとえるなら、ヴォッティガ・ベネタやエルメスだし、時計でいえばロレックス、IWC、パテック・フィリップだし、
自動車でいえば、フェラーリ、ポルシェ、ギターでいえばフェンダーやギブソンやマーチン、ドラムでいえばグレッチやソナーに匹敵する。
正直、うらやましいー。何でも形から入らないと気がすまないのか?!
文句は言えない。私も似たようなものであるな。一流のものに触れて、腕が上がるというのも一理ある。
とにかく、早く楽器に見合う腕になってほしいものだ。
休日に、ワンコたちはいっせいに抗議の雄叫びを上げる。ワォーーーーン!
「鉄腕アトム」のテーマや「タッチ」のテーマばかり聞かされた日には・・ね。