最高のごちそうは…

冷蔵庫にあったゴボウ、ニンジン、椎茸、こんにゃく、鶏肉で炊き合わせを作りました。これに、炊き立てのご飯があれば、わたし的に夕食はOKだなぁ。

 

 

 

 

 

醤油、お酒、味りんの組み合わせだけでなく、お酢と鷹の爪を少々いれて筑前煮とは違った味にしてみた。ちょっとした工夫で、楽しく、美味しくなる。そして、ちょっといい気分。

 

 

 

以前、「レイヤー化する世界」というご本をご紹介しました。

http://blog.goo.ne.jp/antenne_navi/e/5511afba2dd381f9602d36ae0314c1b8

その作者、佐々木俊尚氏の「家めしこそ、最高のごちそうである」というご本を興味深く読ませていただきました。

 

ビシッとスーツを決めて食べに行くフレンチレストランのように気取って、豪華な美食でなく、ワンコインの油だらけで、ジャンクなファーストフードでもなく、添加物満載のレトルトや、コンビニ弁当でもなく、無農薬有機の野菜やオーガニックにこだわったマクロ・ビオテック的なものでもない・・。

 

今の時代だからこそ、可能な家ごはん。特別な調理器具を必要とせず、手早く、手軽に、お金をかけないで、健康的な「美味しい家めし」をつくる生活へのススメが書かれています。

 

 

 

男子の料理本として、また時代をとらえた一冊としてもおもしろい。記者をされていたからか、昭和の食文化の歴史を紐解きながら、いまの時代がどれほど恵まれた環境であるかからはじまります。

わたしもそうですが、昭和の一般的な家庭で、ダシなんて概念には程遠く、簡単なおかずで育って来たような著者が、味に目覚め、料理に興味を持ち、色んな料理を手がけていくプロセスが、エッセイとして綴られていく。

 

 

勘違いなさらないでいただきたいのですが、普通に作りたい料理を学ぶためのレシピ本ではありません。

 

 

 

料理経験が乏しい男性が、料理って何なのかをつかみ、家にあるもので旨いものをつくれるようになれるヒントがちりばめられた内容。

 

初心者から料理がわかりはじめた男性には、その先の可能性がぐっと広がる本です。

料理の応用が利くようになるだけでなく、ある意味で食を通して豊かなライフスタイルを提示している感じ。

 

 

「家めし」が、最高のごちそうであるという論点には、すごく共感できます。

 

 

ぜひ、ご一読を。

 

 

 

 

 

 

 

◆佐々木俊尚

 

 

 1961年兵庫県の片田舎で生まれ、大阪西成のディープな街・玉出で育つ。
母の再婚相手がトヨタ自動車の工員に採用されたのをきっかけに、愛知県豊田市に転居。地元中学から愛知県立岡崎高校に進学。文学や哲学書に埋没した思春期をすごす。
1981年、早稲田大学政経学部政治学科入学。前半はロッククライミングに熱中し、後半は当時普及しはじめていたPCを手に入れ、パソコン通信を使ったオータナティブな市民運動ネットワークの実験に参加。掲示板での議論に熱中する。
1988年、毎日新聞社に入社。以降12年あまりにわたって事件記者の日々を送る。東京社会部で警視庁を担当した際にはオウム真理教事件に遭遇。ペルー日本大使公邸占拠事件やエジプト・ルクソール観光客虐殺事件などで海外テロも取材する。
1998年、脳腫瘍を患って長期休養。翌年、糸が切れたように毎日新聞社を辞めてアスキーに移籍。月刊アスキー編集部でデスクを務める。
2003年、独立してフリージャーナリストに。以降たったひとりで事務所も構えず、取材執筆活動に邁進中。