自分が生まれながらにおじいさんで、年を追うごとに若くなっていく人生ならどうであろう。
物語は、S.スコット・フィツジェラルドの原作。奇才 デビッド・フィンチャー監督がメガホンを取った「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」をDVDにて鑑賞しました。
3時間近い長尺ですが、短く感じたのは脚本のうまさなのか、人生を半分は過ぎてしまったゆえの私自身の感傷のせいなのか。
冒頭の「人は何も持たずに生まれてきて、何も持たずに帰る」はテーマのひとつ。もう一つは「永遠は存在する」
普通の男の人生とすれば、幸せな人生かもしれない。始まりは数奇でも、貧困や戦争や差別や様々な人々との別れを経験し波乱万丈ながら、一生をかけて愛した女性の腕の中で死んでいけるんですから。
生物としては、遺伝子を後世に残せた時点で、使命は終わっているんでしょうね。
魚の鮭は生まれた川を下り、海老とカニばかりを食べて(だから身が赤い)遥か6000キロの海を旅し、アラスカまで行って引き返し、生まれ故郷の河を遡り、その時にたまたまみつけた雌とたった1回の交尾をしてそのまま死んでいくのですから。
しかし、永遠はある。遺伝子のカプセルは永遠に旅を続けるんですね。
映画として「フォレスト・ガンプ」とかぶるけれど(脚本家が同じ)、ブラッド・ピットとケイト・ブランシェットの演技はすばらしい。ブラピの感情表現は控えめであるが、ケイト・ブランシェットはおばあさんになって娘にすべてを告白するシーンの演技は必見。本当に幸せな時間は、限られているんですね。
そして、中学生くらいのブラッド・ピットが信じられないくらいに美しい。
CGもこれなら許せる?!
お1人で、深夜にゆっくりとご覧になることをオススメします。
若者には少し早いかも。理解できないことが多いだろうな。
私自身、もっと歳をとって観たら別のシーンで感動しそう。
また、観てみたくなる奥の深い作品でした。
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