青いパパイヤの香り

決まった条件やフレームの中に、「美」、「洗練」や「新鮮さ」や「躍動感」を、いかにリズムや調和をもって収めるかが、ファッションの世界では常に課題となります。

しかも、凡庸に浸かり切ってしまっては「革新」や「斬新さ」からは遠く離れていき、平凡という名の海に没する。

 

 

 

 

 

 

『青いパパイヤの香り』予告編

芦屋のオ・ブリコルールのメンバーと、トラン・アン・ユン監督の映画「青いパパイヤの香り」の鑑賞会を。

 

 

 

 

甘いレーズンとピーマンの苦味。

手料理ですが、ピリリと辛いドライカレーを用意しての夕べ。

別の店でも企画し、それぞれ鑑賞会を開催していただいているはず。

スタッフには、簡単な感想文を書いていただくようにお願いをしています。

そのわけは・・・来週、21.22日とお休みをいただき、社員研修旅行へ。

その目的は、同じアジアの国にて、現地のリアルな生活、国民性や感性を学んで欲しいから。

行き先は、ベトナム、ホーチミン(サイゴン)。

サービスされる側となり、ホテルマンやCA(キャビン・アテンダント)の方々のサービス、身のこなしを見てもらうことも目的ですが、アジアの国から、改めて日本をみると、「日本は、なんと素晴らしい国だ」と肌で感じて欲しいからです。

 

幼いころには、両親やまわりの大人がイベントを計画し、連れて行ってくれて、幸せを分け与えてくださいました。

そして、大人になった今は場の主催者として、企画立案し、実施していかねばならない立場に・・。

 

楽しいことは、ただ待っているのでなく、自ら作るべし。 

 

 

 

 

旅行会社の方と折衝し、企画を練り、旗を振って先導して、搭乗口へと。

それはそれ、楽しくもあります・・が。

 

 

 

 

常に鳥のさえずりや虫の声が、バックに響く。

 

アジア特有の湿度、熱帯植物の揺らぎと静寂…

 

 

 

劇中、セリフ(言葉)は最小限に。それゆえ、画面には現れていない感情や雰囲気を、五感で感じ取ることが出来なければ退屈に感じるかも。

年輩の女中さんの作るお料理の味や匂いさえも、鼻腔に伝わってくる感じ。

 

 

 

この映画、シンデレラ・ストーリーでありながら、貧しい家に生れ落ちた少女の成長がこと細かに描かれていきます。後半部分では、ほのかなエロスさえも・・。

 

いまのホーチミンは、バイクとクルマのクラクションと排気音の騒々しい街ですが、古きよき時代のベトナムの文化を知るには、秀作です。ぜひ。

◆青いパパイヤの香り

 

サイゴンのある資産家の家に、10歳の少女ムイが奉公人として雇われて来た。その家には優しい女主人と根無し草の旦那、三人の息子たち、そして孫娘を失って以来二階にこもりっきりのお婆さんがいた。ムイは先輩女中に教えられ、一家の雑事を懸命にこなしていく。そして彼女は、ある日長男が連れてきた友人クェンに恋心を抱く……。ドキュメンタリー出身のベトナム系フランス人、トラン・アン・ユンが初めて劇映画に挑戦した作品で、1951年のベトナムを舞台に、一人の少女の成長を瑞々しい映像で淡々と綴った小品。フランスのスタジオにセットを組んで作られたその絵造りは、時として演劇的な空間や演出を用いながら、水や光、草木(当然その中にパパイヤもある)、さまざまな小動物といった極めて自然なオブジェを融合させる事でユニークな印象をもたらしている。カンヌ映画祭でカメラ・ドール賞(新人監督賞)を受けたのも納得する力量だ。物語は後半で10年後に移りムイも成長した姿を見せるが、少女時代を演じた、ほのかなエロティシズムを醸し出すリュ・マン・サンの存在感は他を圧する魅力。彼女なくしてこの作品の成功はなかったろう。