街を歩くと、職業柄でしょうか、他所のお店を観察・分析してしまいます。
店舗においては、「結界」が張ってある空間が好きなのです。
簡単にいいますと、そこにだけしかない空間を目指しているお店に惹かれます。
ひとつの敷地内に建物を配置し、インテリアを含め独自の世界観がある。提供する商品に独自の個性を出しつつ、働いておられる方々も自分たちのお店、その成り立ちや歴史に自信と誇りをもっている。そんなお店をみつけると嬉しくなってしまいます。
先日、そんなお店を一つご紹介させてください。「東京竹葉亭」の西宮店です。
灘の酒の伝統文化の発信地「白鷹禄水苑」のなかにある鰻屋さんです。
四季折々に様変わりする庭に囲まれて平屋のお店が配置されています。その存在自体が地域のランドマークになっている。
店内も落ち着いた雰囲気で、鰻料理や会席料理がいただけます。
東京竹葉亭のうなぎは、一度蒸し上げたあと、三回タレをくぐらせて焼き上げてあります。
関西風の焼きのみで、皮がぱりぱりで中はジューシィなものが個人的に好みなのですが、蒸すことで余計な脂を落とし、柔らかくふっくらとして上品な味もまた素晴らしいです。
入り口に酒の肴にぴったりな珍味を集めた売店があり、奥の棟には酒作りの歴史、行程や器具などを展示した博物館が併設されています。
靴を脱いで見学します。
お持ち帰りの商品(鰻や鰻の鮨など)もあります。座敷も二部屋あり、ちょっとした会にも喜ばれるかと。
培われた伝統を守り、現代人のニーズにも応えながら自らの商品とサービスに誇りを持つ。
大切なことだと思います。それがブランディングというものだと。
そのあたりをスタッフの方々が理解して、立ち振る舞いから老舗のありようをも守られていると感じます
そんなお店作りを目指していきたいと思い、日々がんばっています。
いつも、ご訪問いただき感謝しています。