奈良 オペラ紀行 1

新大阪を経由して、クルマは阪神高速・水走を越え、阪奈道路をひた走る。

目指すは、奈良県唐招提寺

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まずは鑑真和上の墓碑に手を合わせる為です。
境内は人もまばらで、観光客でごった返す京都とは趣きが異なる。

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凛とした境内の右奥に墓碑が静かに佇んでいた。周りを池に守られ、手入れの行き届いた林の中でひときわ気を放つ。

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そこから、奈良ホテルで荷を解いた。

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昭和天皇をはじめ、多くの皇室の方々がお泊りになられた由緒正しき歴史あるホテル。

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同行のM田さんのご親戚が奈良ホテルにおられます関係で、早めにチェックイン。ありがたいことです。もうひとりの同行者は、NYでお世話になりましたH川さま。

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休憩を挟んで、歩いて奈良町あたりを三人で散策。

町屋を改造したカフェやレストラン、雑貨屋などが軒を連ねているが、京都のように観光客で溢れてはいない。静かに、それでいて軽快なリズムで町が生きている。

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「奈良、いいなぁ」とそんな呟きが口から出る。

地産の野菜を使った創作料理の店でランチ。先客にイタリア人の観光客が多数。家族連れのようだ。

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コースの中身は、赤飯、新鮮な野菜の料理。メインは岩魚の塩焼きです。

その後、「春鹿」 さんの酒蔵に赴き利き酒。笑顔の素敵な地元のお姉さんが丁寧に説明をして下さる。おちょこで5種のお酒を飲む。

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もちろん私は舐めるだけ。それでも、違いが分かるほどに日本酒も多種多様なのだと。

そこから、ホテルで着替えをし、降り出した小雨をついて、タクシーで100年会館へ。
着くと本降りの中、たくさんの人が。かなり巨大でモダンな具体とエントランス。

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入り口近くで、同行のH川さまのお知り合いにご挨拶。この方が、今日のオペラで鑑真役を演じられる田浩江氏の奥さま。ひと目で、その聡明さとオープンにまわりを巻き込んでいくオーラを感じる。

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このあたりから、私の普段、属しているエリアとは異なる世界に足を踏み入れることになる。

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100年会館の天井の高さとそのスケール感、バランス、構造の巧みさに驚いた。
設計は、あの磯崎新(お客さまのN谷さまのおはなしですと、主任設計は、お弟子さんの武富さんだそうです)。さすがに・・。

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席は、右側張り出しの関係者のみの席。正直、3時間もの長さのオペラに耐えられるか心配でした。

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が、そんな心配も、僧侶姿の演者がステージに現れ、指揮者が指揮棒を降り、オーケストラが音を出した途端に吹き飛びました。

その音楽の重厚感、ステージングのセンスに引き込まれていく。サイドにあるモニターに日本語での意味を読ませてくれる。

5度の挫折を踏み越え10年を経て、ようやく鑑真和上が鹿児島の地にたどり着く。その間に、日本人の弟子の栄叡を喪い、悲しみにくれる。そしてさらに両眼の視力を失ってしまうのだ。

6度目、遣唐使の船団に密航。ようやく鹿児島にたどり着く。奈良の東大寺に入り、その後建立された唐招提寺にて250もの戒律を伝え、日本の仏教の礎を作った。

感動のうちに、スタンディングオベーションのなか、幕が閉じられる・・と、奥さまの先導で楽屋へ。導かれるまま、舞台の袖からステージの上に。

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なんとも光栄の至り。握手と記念撮影。興奮冷めやらぬまま、心臓の動悸が高まる。
こんな機会は、二度とないかもしれない。そんな思いが頭を蹴巡る。H川さまに感謝。このオペラが、日中友好の礎になることは間違いないと思う。

この後、オペラの感想を肴に料理屋で鍋。たくさんの海の幸(河豚、牡蠣、タラの白子、が詰まった鍋であったが、味は覚えておらず・・。

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実は、この次の日、主演の田浩江氏と奥さまを奈良ホテルにお招きして、ランチをご一緒させていただくというワクワクするような機会が待っていた。

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この模様は、後日。

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