制約の中の洗練

昨晩から報道は、熊本の地震災害のニュース一色。阪神・淡路大震災の時を思い出しました。被災されたみなさまには、謹んでお見舞い申し上げます。

 

イスラムのファッションというと男尊女卑の暗いイメージが伴ってしまいます。

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ヒジャブやアバヤと呼ばれるターバンのような黒無地の布で頭や顔のほとんどを隠し、目だけが露出している姿を連想されることでしょう。

ところが・・・下の写真をご覧になってどう感じられるでしょう。新鮮で、すごくステキだと思われませんか?

 

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昨年くらいからムスリム・ファッションとしてドルチェ&ガッバーナをはじめてとしたハイファッションブランドが、相次いでコレクションを発表しているのです。それに追随してユニクロやH&Mもムスリムファッションアイテムを発表。中東やインドネシアに約20億人存在するといわれるムスリム女性は、いまや巨大なマーケットなのです。

 

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中国からの次のターゲットは中東であるということなのでしょう。トムソン・ロイターの調査によると、2013年にイスラム教徒が服と靴に使った金額は2660億ドル(約31兆5635億円)で、この数は日本人とイタリア人のファッション関連支出の合計額よりも多く、19年には市場規模が4840億ドル(約57兆4072億円)にまで拡大すると言われているそうです。
http://www.sankei.com/premium/news/160117/prm1601170017-n1.html

 

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熱い国であるのに宗教上の理由から、女性は身体を隠すことを義務づけられている感じがしますが、最近は逆に「欲望に負けやすい、弱い男性を守るため」に自らムスリムファッションを肯定する傾向だそうです。つまり、自ら「宗教の表現」として覆いを着用しているという意識改革がどんどん進んでいるということ。

イスラム教には厳しい戒律があります。ラマダン(断食月)には約1カ月にわたり、日の出前から日没までは食物を口にしない。また、豚肉や飲酒の禁止といった戒律のなかで、思う存分にファッションを楽しむ時代になってきているのです。

 

日本も歴史を遡ると、鎖国をしていた江戸時代、約230年の間に、独自の日本文化が多く花開きました。人間は、制約があればあるほど、そのなかで工夫し、さらに優れた技術や文化を生み出してきた。

すべてが満たされ、ものが溢れる状況が望ましいのか、いま一度考えるべきだと感じますが、いかがでしょう。

 

 

いつも、お読みいただき感謝しています。