物事は、みる位置や角度が違うと、まったく違うものにみえるものだ。
DVDで「インターステラ」という作品を鑑賞しました。
近未来SFのはずなのに、アメリカ中西部の農耕地帯の場面から始まります。インターステラー」とは「星と星の間、惑星間の」という意味だそうです。
近未来SFですが実質は、地球にいる娘と、太陽系を飛び越えた別の星系という、距離としては途方もない隔たりが生じてしまった父と娘の家族愛の物語。
距離だけでなく「時間」という隔たりも生じて、宇宙にいる父親・クーパーは歳を取らないのですが、地球にいる娘・マーフはどんどんと歳を重ねてゆく。重力の影響で1時間が地球での7年間に相当する惑星にて、人類を救うために任務を遂行する父。
SF映画としての目新しさはありませんが、娘と仲直りできずに旅立つハメになった父・クーパーの心情を思うと、彼が何が何でも生きて生還しなければならないという父親としての信念が、胸に強烈に迫ってきます。泣けます。
「2001年宇宙の旅」のオマージュを感じさせる映画ですが、映像美が素晴らしくて感動。宇宙人や派手なドンパチはなく、169分と長尺ですが最後まで退屈することも一切無い。人との別れやロボットとの友情などテーマも盛りだくさん。
映画『インターステラー』予告1【HD】 2014年11月22日公開
SF=スペース・ファンタジーなんだということを、あらためて思い出させてくれる文学的な作品です。
SF嫌いな人にもお奨めします。
ぜひ。
⬜️インターステラ
「ダークナイト」「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督が、理論物理学者キップ・ソーン博士のスペース・トラベルに関するワームホール理論を下敷きに描くハードSF超大作。かつてない危機に直面し、新たに発見されたワームホールを利用した超遠距離惑星間移動に最後の希望を託す人類の運命と、重大な使命と引き換えに永遠の離別を迎えようとしている一組の父娘の絆を壮大なスケールで描く。主演は「MUD マッド」「ダラス・バイヤーズクラブ」のマシュー・マコノヒー、共演にアン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、マイケル・ケイン。
近未来の地球。環境は加速度的に悪化し、植物の激減と食糧難で人類滅亡の時は確実なものとして迫っていた。そこで人類は、居住可能な新たな惑星を求めて宇宙の彼方に調査隊を送り込むことに。この過酷なミッションに選ばれたのは、元テストパイロットのクーパーや生物学者のアメリアらわずかなクルーのみ。しかしシングルファーザーのクーパーには、15歳の息子トムとまだ幼い娘マーフがいた。このミッションに参加すれば、もはや再会は叶わないだろう。それでも、泣きじゃくるマーフに“必ず帰ってくる”と約束するクーパーだったが…。