「変わること」、「変えること」の困難

オリンピック選抜を賭けたスケートの日本選手権を観ていて、いろいろ考えてしまいます。

 

 

 

氷の上で歩くことさえも難しいのに、もっと接地面の少ないスケート靴を履いて、華麗に滑り、回転し、ジャンプすることの困難さを想像してしまうのです。

 

繰り返し、繰り返し、何百回も何千回もジャンプを繰り返しても、その日の体調、氷上のコンディションで転倒を余儀なくされてしまう。それも、失敗の許されない大舞台での一発勝負。

 

幼いころより、積み重ねた練習と経験。どんなに身体が覚えていても・・です。

 

 

 

 

 

私たちも、日々練習を積み重ね、洗ったり、塗ったり、巻いたり、カットしたりを繰り返す。

見て、髪の状態を把握して、考え、判断して、実行するを繰り返し、積み重ねます。

 

お一人のお客様をカットするのに何十回、何百回とそれを反復し、繰り返すのです。

 

そうすることで、自分に自信が生まれ、デザインし、ようやく自分のスタイルが出来上がります。

 

けれども、いったん、「作り上げたスタイルを変える」ことも、時には必要です。

どうすれば、最短で結果にたどり着けるのか、常に考えねばなりませんし、理にかなった、正しい方法でなければ、それはかないませんから。

 

変化させることは、本当に難しい。身体が覚えていれば、尚更です。

 

 

スタイリスト昇格の試験で、西田さんに、なかなか合格を出せず、彼女自身も悩み、かなり辛そうですが、まわりで見守る我々も同様に・・・。

 

しかし、一旦、原点に立ち戻り、「捨て去ること」「変わること」が出来なければ、革新は望めません。

同じことを繰り返しても、大きな進歩は生まれないのです。

 

作り上げた物を、いったん壊すことには、プロセス以上の覚悟と労力と忍耐が必要条件。

 

 

「合格!」のひと言を、心からの祝福とともに発する日を、ディレクターともども、待ち望むのです。