大型台風の後、手のひらを返すがごとく、急に肌寒い。
思わず、羽毛布団を押し入れから引っ張り出しました。
みなさんは、いかがでしょう。
「去年は、この時期、どんな気候だったのかな」と思い出そうとしますが、いまひとつ思い出せない。
過去は過ぎ去ってしまった時間。そして、未来は予測ができません。
我々には、過去もなければ、確実な未来もなく、あるのはいまこの一瞬だけです。
幼いころ、ランドセルを背負って学校に行くのを楽しみにしました。小学校で、勉強が始まると、管理された毎日のうんざりする時間もあり、やがて好きな異性ができたり、友人たちとの時間を持つようになる。ですが、さまざまな場面で、まわりから管理されます。
そこから親や先生の束縛を逃れて、自由になることを夢見だします。
自由に自分の時間を使いたい。そんな思いで、受験勉強を乗り越え、大学時代、自由になれたことを心から喜びますが、それも、つかの間。社会においての無力さ、経済力のなさという現実に打ちのめされる。
社会に出て、自身でお金を稼ぎだし、人生を考える。結婚して、新しい家族の出現に歓喜して、家庭を作る。わが子の成長を待ち望み、精一杯働き続ける。
子供が独立した後は、リタイアした日々の毎日を夢見ながら、その日を心待ちにします。
人生を、こころから楽しむのは、それからだと考えて・・・
お伝えしたいことがお分かりでしょうか?
多くの人たちが、後になれば、もっと素晴らしい日々が訪れると信じて、人生を楽しむことを先送りしてしまいます。
でも、我々に許されているのは、いまこの一瞬だけです。ならば、実現するかどうかも定かでない未来を夢見て、今という時間を楽しまないのはもったいないのではないですか?
秋晴れの、快晴の日に、雨の日を想い、寒い冬になると、夏の熱い日差しを恋い焦がれる。
通勤電車の中で、どこか遠い場所に旅立つことを夢見る。
長旅の末、たどり着いた異国の地で、自宅の心地良さを思い出す。
目の前の現実が変われば、すべてが解決されるような・・この状況から飛び出れば、すべてが100%うまくいくかのように・・。
ガラスのコップを床に落として、粉々に砕け散った。
現実は現実。
元通りにすることはできません。
起きていることは消せないし、元に戻すことは不可能です。
楽しい人生を送るコツがあるとしたら、人生の避けがたい現実を受け入れ、喜びを見出すこと。
割れたガラスの破片で、新たなアートを生み出し創作するような・・。
目の前に素晴らしい宝物があるとしても、みようとしなければ一生、気付くことはないかもしれません。
いまあることに感謝し、いまこの一瞬を楽しむという気持ちで毎日を送ることに他ならないのではないでしょうか。
決して、先送りする理由はありません・・