大根を、おろし金で手早くすりすり。辛味の効いた大根おろしが好きなんです。
それまで生の野菜を食べる習慣のなかった日本にサラダが登場するのは、欧米の食習慣が入ってきた明治以降、さらに家庭の食卓にのぼるようになったのは戦後になってからだそう。それまでは、煮炊きをしたものや漬け物ばかりを食べていたんですね・・。
日本での野菜の生食は、とんかつに添えたキャベツのせん切りが始まりだとか。でも、生の野菜を美味しく食べれる日本式のサラダとして「大根おろし」って素晴らしいと思います。お醤油をかけて焼き魚に添えたり、汁物やハンバーグにトッピングもありですが、直接、舌に辛みを感じながらご飯といただくのが好きです。
最近は、野菜の中でも生産量、作付け面積トップの大根ですが、辛みのある大根が少ない。
辛みの少ない品種の青首大根の全国的な普及がその理由。長さ、太さ、形が揃っていて輸送に重宝するというわけです。経済効率のために、大根も淘汰されているのです。
調べてみると、大根の辛みの成分はイソテオシアナート類。この成分はおろすなどすると細胞組織が破壊されるので辛みを生じます。ステック状の大根では辛さを感じませんね。この辛みは大根の上部には少なく、下部になるほど強くなる。そして、おろし中の辛み成分は、時間の経過と共に揮発してしまい、著しく減少するので次第に辛みを感じなくなります。
大根にはアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの消化酵素が豊富。これら酵素は熱に弱いため、加熱をともなう調理法ではその効果は失われてしまいます。
大根おろしとして、生のまますりおろすことで消化を助ける効果が生じるのですね。
辛味大根のレシピの要は、先端近くを、手早くおろして、すぐにいただくことのようです。
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