昨日の日本の農業、植物工場に関するブログに、森社長から、直接メールで追加説明とご指摘をいただいたので、修正させていただきたく、以下にまとめてみました。
植物工場に関しては、以下のサイトの動画(7分くらいから)にて。
http://blog.goo.ne.jp/antenne_navi/e/df90f8d37bad883963b6d25da95d431e
まず、植物工場での味の調整に関してですが、あまり細かく書くと、企業秘密でもありますし、突っ込みたくなる人も出ると思われますので、要点だけを書かせていただきます。
・温度を下げると成長が遅くなり、味は甘いほうに傾きます。
・温度を上げると水をたくさん吸収して水臭くなります。
・照明時間を延長すると、成長速度はそれに比例して速くなり、食感は硬めで苦くなります。
・照明時間を短縮すると柔らかくなって色が薄くなります。
つぎに、「スマートアグリ」に関してですが、これは定義がすごく難しいとのことです。
オランダは確かに世界一の農業国ですが、農業を行う上で恵まれた環境の下、太陽光を利用した農業を行っているそうです。
風も適度にあり、太陽にも恵まれ、かつ湿度が適当に低いため、温室の温度制御も、霧を飛ばすだけで、十分温度が下がる。したがって、安定した気候条件で栽培をソフト化するのは技術的にそう難しいことではないと。
それに対して、日本では、気象環境の変化が激しく、湿度も高いことから、オランダ式のハウス農業をおこなってみたものの、ことごとく失敗に終わったそうです。今後もめどが立っていないとのこと。
そうした背景をもとに日本で開発、発達してきたのが、完全人工光型植物工場だということです。
したがって、「日本でスマートアグリというと、植物工場といっていいと思う」とは森社長のお言葉。
「また、日本型農業は、環境が一定であるために、世界中どこでもおんなじ野菜を作ることができます。これらの栽培制御をICTを使って拡大しようというのが植物工場の現在ですよ」。
「植物工場の中での栽培は、遺伝子の組み換えのようなことは一切しておらず、野菜の成長の仕組みをしっかり尊重して、環境を最適化しているだけ」だそうです。
つまり、「不足する野菜を、余っている深夜電力で栽培し、温暖化で問題になっているCO2を取り込んで野菜に固定化する。したがって、これほど安全で環境にやさしい農業はないと思ってもらって結構です」と理路整然としたメールにて、ご回答してくださいました。
わたしも、土地の狭い日本では、平面でなく、空間利用できる植物工場が固有の風土に適していると思います。
森くん、ほんとうにありがとうございました。
専門家に補足説明とご指摘いただき、感謝しています。
最後に、森くんからのメッセージを。
「植物工場が増えても、露地栽培を圧迫することには決してなりません。農業をやりたい若者に、どんどん参画して欲しいと願っています」。
「21世紀では、工業は海外へ、農業は国内へとという時代になると考えています。ですから、もっと、経済的に報われる『儲かるビジネス』に若者が農業を変革して欲しいといつも願っています」とのことでした。
みなさん、失礼いたしました。正しいご理解のほど、よろしくお願いいたします。