インテリアショップ巡りが好きなんです。
仕事柄でしょうか、とくに椅子を見て回るのが。
立体としての表現に加えて、座り心地や耐久性など、技の集大成を感じるからでしょう。
背中やおしりに触れる感触や、ひじを置いたときの納まりなんかを、何度も試作を繰り返しながら、試行錯誤の末に完成していったんだろうなと、そのプロセスを想像するわけです。
デザインとしては、クラシカルなものよりも、モダンで新しい試みに挑戦したものに心惹かれますね。奇抜という意味でなく、その美しいたたずまいや使い回しのトータル。
先日も、四ツ橋沿いにあります「AIDEC」さんにお邪魔しました。
1階と地下1階の2フロア。地下には、国内メーカーのもの中心。1階は、ドイツなど海外ブランドの家具が。ドイツ・バウハウスのながれを受けた質実剛健なイメージのものだけでなく、オシャレでモダンな家具が所狭しと。
とくに目を引いたものが、これ。「COR」のデッドストックもののソファ。
十分になめし仕上げられた見事な発色、ワインレッドの赤。背もたれや、肘置きは座る人に合わせてスライドします。座面のスプリングも特殊な構造。このモデルは、この商品をもって生産中止だそうで、最後のひとつだそう。
聡明な女性スタッフのかたが、丁寧な対応と説明でお話しくださいました。
うう〜ん。思わず欲しいなと思ってしまいましたが、かなりの大きさとそのお値段をお聞ききして、堺雅人ばりの「泣き笑い」の表情を浮かべたまま、後ずさりしつつ退散。
帰り際に、河川に子アユを放流するがごとく、「大きくなって戻ってこいよ」とCORの分厚いカタログを手渡してくださいました。
皮と皮の縫い合わせや、包み込みつつ、しっかりと跳ね返してくる弾力にうっとり。ドイツの職人の確かな技術と心意気に感心しながら、サニーさんとその場を後にしたのでした。
◆AIDEC
http://www.aidec.jp/cor/