正反対な2本  「海を飛ぶ夢」

映画で感動するためには、やはり登場人物に感情移入することが不可欠。

月曜日、火曜日と連続して鑑賞した二本は、真逆の作品でした。
一本目は、シネマ部で鑑賞した「海を飛ぶ夢」。スペインの映画です。

 

 

 

若くして事故のため、下半身不随になり寝たきりの生活をおくる主人公ラモンが、周りの人々や家族から、手厚い介護や愛を受けながらも、最後に選んだ答えは・・。重いテーマの「尊厳死」を扱った作品でした。

 

 

http://youtu.be/KSsrxeEapMc

 

ラモンが、死を選択しようとする根本の理由が、いまひとつはっきりと示されていない。頑ななまでに、死を選ぶことを主張する。それまで支え続けてきた兄や義姉や甥の想いはどう受け止めているのか。20年の年月の苦労は、簡単に片付けられない。さらに、彼に好意を持つ女性たちへは・・。

 

あまりに自分中心な考えに凝り固まった主人公に、感情移入することが難しかった。

 

 

ただ、その美しい映像。幽体離脱したかのように大空から、アンダルシア地方の海や大地を飛ぶ映像は、言葉に表せない浮遊感で、何人をも魅了せずにはおかないだろう。

 

人間、この世に生れ出てからの何日かと、最後の時を迎える前後の数日には、必然的に誰かの世話になる。その時間が長いか短いかだけが、問題になるのか。そもそも、「死」に尊厳など存在するのか。実際に、四肢麻痺によりベッドの上での生活を余儀なくされなければ、真の意味での理解は不可能ではないのか。撮る側も、観る側も・・。

 

尊厳死を容認している国もあるときくが、その実態はどのようなものであろう。その人間の考え方や宗教観、置かれた環境によっても、個体差が生じるのは当然のことと。そして、その選択の是非は、答えが無いように思うのだが、いかがなものだろう。

 

もう1本は、話題の最新作「ガッチャマン」です。昨今のリバイバルブームの流れでの実写版。ライアルタイムで、アニメを見ていた世代をターゲットにする手法自体は、悪くないと思う。ただ、当時より成熟したであろう大人を対象にして作品を作るには、それなりのルールがある。

 

これについては、長くなるので明日。

 

 

 

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