久々に涙腺の機能が麻痺して、静かに涙が頬を伝った。
http://youtu.be/Divdgb7RL58 日本版予告編
http://youtu.be/D0etGuXMNSM 予告編
愛する者が、遠くへ去ったが、苦難を乗り越えて、最後に戻ってくるというシンプルな物語ですが、主人公が馬であることがこの作品の1番の特徴でしょう。CGでなく、リアルにエキストラを多用し、第一次大戦の時代の衣装を再現、実際のヨーロッパのひなびた村、イギリス侯爵の保有地、飛行場であった荒れ地を使って忠実に撮影された大作は、さすがにスピルバーグ作品だと。全米では、この作品と映画「タンタン」が同時にロードショーされたというから驚きです。かたやCGや3Dを駆使した最新技術の作品、かたや対極の原点回帰といえるような、まさに映画らしい作品を同時に撮れてしまうのが、スピルバーグの凄さでしょうか。
前半の奇跡の馬ジョーイともう一人の主人公アルビーの交流を綴った、往年の名画を彷彿とさせる牧歌的なシーン。そこから一変、後半では軍馬としてジョーイの戦場を生き抜く数奇な運命を描き切った2時間を優に超える長尺(146分)ですが、最後のこれ以上ない夕焼けのシーンまでダレルことなく観せ切ってしまいます。サラブレッドの馬の表情、演技力が、これほどとは・・。ディズニーのようなユーモラスな動物キャラも登場します。
原作が児童文学ということで、悲惨なシーンや残酷なシーンもややソフトに仕上げられていることや、ほとんどの登場人物たちが、「善」の人で構成されている点は、やや物足りなさを感じてしまう方がおられるかもしれません。それでも、馬同士の友情、非情な戦下での人間の善意、生きることの困難さとすばらしさ、そして人と人が争い、死んでいく戦争のむなしさを子供たちに伝えるには、十分な作品です。
週末、子供さんを交えてご家族でご覧ください。お薦めします。
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