シネマ部にて「ライフ オブ デビッド・ゲイル」を観賞

今回、私の担当であった。明るい、後味のよい作品にするか、逆に意見の飛び交う問題作にするか、悩んだ末に後者を選んだ。

持ち回りで、メンバーが作品を紹介する月一の会。元来、大どんでん返しが盛り込まれたエンターテイメントか、むちゃハッピーエンドのラブコメが、大好きなんだけど、この作品は、いたるところに前フリがあり、鑑賞後に、考えこんでしまう深い主題をかかえながら、サスペンスとして大どんでん返しが、二段落ちで炸裂する。いや、三段落ちかな。ただ、いささか後味が苦い。ほんとうに主人公の立場なら、この結末を導いたか否かという、すばらしい文字の書かれた白い半紙に、筆に残った薄墨が飛ぶがごとくに、脳裡に疑問符が打たれてしまうのだ。

 

監督は名匠、アラン・パーカー。製作は、なんとニコラス・ケイジとアラン・パーカー。出演者は、知性派、ケビン・スペイシー、熱い演技のケイト・ウィンスレット、私のお気に入り、実力演技派の ローラ・リニー。謎のカウボーイに、渋い演技の名脇役、マット・クレイブン。唯一の笑いの緩衝材・新米記者役に、ガブリエル・マン。脚本も、キャストも、演技も完璧です。ニコラスにも、出て欲しかったね。

根本のところで違和感を感じるのは、私だけだろうか?主人公のケビン・スペイシーは、この計画を実行する意味があったのか。自身の信念と引き換えに、これほどの自己犠牲を払いながら、命をもいとはないなんて。子供への愛があればこそ、生き抜くべきでなかったのか?

そのあたり、シネ部のメンバーに、出来れば内田先生にも意見をもとめたいところであったが、夏休みや夏バテや、ご用事で、この日の集合人数は5人。

だが、私の疑問はみなさんの達見で、上段からバッサリと切って落とされた。「決めつけちゃいけない。さまざまな人間がいて、この世は成り立っているのだ」と。うん。わかるよ、わかる。

そうはいっても、私の中では、依然として、ふつふつ火の粉がくすぶっている。誰が、私に、コカコーラのようなスカッとした答えを教えてください。

2003年公開の問題作。なぜか、日本では話題にならなかった作品ですが、すごいです。ビデオ屋にもなかなかないとは思いますが、アマゾンでポチれば、¥1000以下でお求めになれます。コスト・パフォーマンスは大きい。ぜひ。

 

◆ザ ライフ オブ デビッド・ゲイル

◆ネタバレ注意  全米の中でも死刑の執行回数が飛び抜けて多いテキサス州。大学の哲学科で教鞭を執る人気教授デビッド・ゲイルは、妻と息子を愛する良き父親であり、死刑制度反対運動に熱心に取り組む活動家でもあった。その彼が、今は活動団体の同僚女性をレイプしたうえ殺害した罪で死刑が確定し刑務所の中にいる。デビッドは死刑執行直前になり、突然人気誌の女性記者ビッツィーを指名し、多額の報酬と引き替えに残りの3日間での独占インタビューを許可した。デビッドの有罪を疑っていないビッツィーは彼の話を聞くうち、いつしか冤罪を確信するようになるのだが…。

 

 

 

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