ディジャブ

久しぶりの素晴らしい天気。

 

 

母親を連れだして西宮ヨットハーバーへ。埋立地の海岸に張り出した公園には、白を基調としたガラス張りのモダンな建物が似合う。

爽やかに渡る潮風は、気持ちを明るくしてくれる。実現できぬ約束を、たくさん残して申し訳ないと、曲がって戻らない背中につぶやいてみる。

 

 

 

 

平日のせいか、ガラガラである。堀江さんが、たったひとりで世界一周をした際のマーメイド号が展示してあるのを横目で見ながら、車椅子を押して三階のカフェへ。遠く灘区あたりの高層マンションや、大阪湾のビル群が蜃気楼のごとくにぼんやりと浮かぶ。

トンカツにキャベツの千切り、大根の味噌汁、ポテトサラダに野沢菜、そしてご飯。よくかんで食べるように、ついつい言ってしまう。同じことを言われ続けてきた立場は、いつか逆転してしまうものなのか。

すっかり白くなった横顔が、自分自身の顔とダブる。

記憶も定かでなくなったその頭で、なにを想い、なにが見えるのだろうか・・・。