京都の御料理「みつやす」へ

村上春樹曰わく、『世の中には、突然に猫の手を万力で押し潰すような悲惨な出来事が起こる…』気配を感じていたにもかかわらず、なすすべなく無力感に苛まれる日もある。人生とは、・・いうものだ。

 

 

 

かといって、両手を上げてみているだけではいけない。センチネルとして、雪かきのように地味で、誰も気づかなない作業を、人知れず積み重ねていく先に、かすかな光が差す。そのようなものだろう。

しかし、逆もまた真なり。思いがけずに、巡り会うべくして巡り会った人と、楽しい夜を過ごせる日もある。

京都の材料ディラー『がもう関西』のF本社長の計らいで、京都で会食会に行かせていただきました。

 

場所は烏丸丸太町、御料理『光安』

これは珍しい屋号と、思われるかもしれませんが、福岡県にはたくさんあるのです。F本社長が、一度いきましょうと、前々からお誘いいただき、1日、二組限定のミシュラン星に輝いたお店である「みつやす」の名前を聞いて、名刺交換がひとつの楽しみでありました。

町屋の木の引き戸を開けると、ぼぅっとオレンジ色の優しい光に囲まれし結界がそこに。

本当に、我々以外には、一組だけ。奥の座敷に導かれ、造り込んだ坪庭の見える奥の席へ。わくわく。

先に到着の、お馴染み大阪のサロンオーナー、I上氏が手ぐすね引いて待っておられた。

 

しばらくして、カドリエのC.E.OのW邊氏到着。再会を喜んで、挨拶のあと乾杯。

そこから、素晴らしい料理の怒涛のスプラッシュが、静かに始まった。

 

  

 

このトマトの甘さと菜の花の苦み白和えは最高でした 

順番通りか定かではありませぬが覚えている限りでは、竹ノ子の姿煮から始まり、金目鯛のお刺身、春の京野菜を使った白和え、

 

 

   

 

卵黄の味噌漬け、アブラメの椀、姫鱒の焼き物、百合根の白味噌の汁物、さくら海老とえんどう豆の炊き込み御飯、蕎麦がきの善哉まで。

品があり、出過ぎず、本道をゆく。

 

 

  

 

京野菜と魚の旨味を最大限に引き出し、余計なものを削ぎ落とした料理の数々。

感動、堪能、そして感謝。

最後に、オーナーであり板長の光安さんとご対面し、名刺交換。すがすがしい瞳をされた、まさに道を極めた職人。

 

 

 

 

また、訪れてみたいと切に願うお店でした。