『ONE PEICE』というアニメをご存じであろうか。
正直、私も数話しか読んだことがないし、TVアニメも数えるほどしか見ていません。しかし、世界的におそろしい数で読まれているすごい作品なのです。以下のテキストは、去年の11月のもの。
■週刊少年ジャンプ連載のマンガ「ONE PIECE(ワンピース)」の発行部数が累計2億部を突破するそうです。
また、11月4日にはコミックス最新巻の第60巻が発売となりますが、その初版部数は340万部で、出版史上最高記録を塗り替えるものになるとのこと。以前の記録は「ONE PIECE」第59巻が記録した320万部。■
2億部って考えられない数字でしょう。今の出版業界において、モンスター的存在です。翻訳版が、世界30カ国以上で販売されているという事実からも、そのすごさが分かると思います。そのONE PIECE(以下OP)の名言集を集めた本が、『STRONG WORDS』。
去年、今年の4月の新卒採用の面接の場で、ある応募者に、愛読書を聞いたんです。「ワンピースです」と真顔で答えられ、戸惑いました。「罪と罰」とか、それが無理なら「坊ちゃん」「風とともに去りぬ」あたりの返答を期待してしている質問です。でも、本当にその子が、この作品ONE PEICEに心底から心酔していた。そのわけが、ずっと理解できずにいました。
その理由が、はっきりと書かれた本が出たのです。それが、わが師匠の内田樹先生が解説を書かれた『STRONGWORDS』。その上巻が3/9に本屋に並びました。早速、購入。
「自己利益の追求よりも、仲間たちへの献身を優先させなければならない」OPの主旋律をなす主題はそこにありますと、例にもれずクリアカットな切り口で20ページほど、先生の持論が思う存分展開。OPという漫画になぜこれほどの若者たちが惹きつけられているのかの理由が、分かりやすく解説されています。
そうか、OPって、ここ20年世界を支配してきた「グローバリズム」に対する異議申し立てであったんだ。若者たちが、OPを読んで涙を流す理由はここにあったのかと、理解できる内容です。
終わりなき「仲間探し」、リクルートの物語。下巻の解説が楽しみだし、これを機会にOPを読破しようかと思ったのですが、60巻はさすがにね(笑)
息子や娘がなぜ、この漫画に惹きつけられるのか理解できないそこのあなた。どうして社会現象にまで発展しているのか。人類が、いま希求しているものが何か。知りたい方は、ぜひ。
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