スープ!驚きのファイトケミカル

最近、にわかに注目されている「ファイトケミカル」という言葉を聞かれたことがおありでしょうか。

動物と違い、自由に動きまわることの出来ない植物。日照りや風雪を避けることも出来ず種が芽吹いた場所で一生を過ごすのです。そんな弱者である植物には、厳しい自然環境から実を守るため、多くの自己防衛機能があります。ポリフェノールやカテキン、βカロチン、イソフラボンといった言葉はすでにご存知のことと思います。「ファイトケミカル」とは、植物だけにしか作り出せない機能成分の総称です。

 

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人間には作り出せない植物の力。鮮やかな色や、甘い香り、独特の苦みや渋み・・それがファイトケミカルなのです。

代表的なものとして、高酸化作用のあるトマトのリコピン。ブルーベリーには、眼精疲労をやわらげ、血液をさらさらにする成分、アントシアニンが。熟したバナナの甘い香りの成分オイゲノールは免疫力を高める細胞を増やします。分かっているだけで5000種類。発見されていないものを含めると、1万5千種類以上もあるといわれているそうです。

エネルギーの代謝に必要な酸素が体内に取り込まれると、その1%が活性酸素に変化します。この活性酸素がくせ者で、遺伝子を傷つけ老化や、発ガンを初めとした様々な病気を引き起こす引き金になる。身体を錆びさせるフリーラジカルという呼ばれる厄介なものなのです。

困ったことに、加齢によって活性酸素を無毒化する抗酸化処理能力が低下していきます。自分の身体の中では作れなくなっていく。でも、近年の研究によりファイトケミカルを積極的にとっていけば、病気や健康維持、アンチエイジングにとても有効なことが解ってきたのです。

サラダにして食べれば摂れるという簡単なものではない。ファイトケミカルは植物の細胞膜や細胞の中に入っているためジューサーやミキサーなのでは十分に摂れないそうなのです。そんなファイトケミカルを、非常に有効に摂取する方法が・・・

 

スープにすること!

 

f:id:autres:20160418231251p:imageミネストローネ(イタリア)

f:id:autres:20160418231250p:imageポトフ(フランス)

f:id:autres:20160418231249p:imageブイヤベース(フランス)

f:id:autres:20160418231319p:imageクラムチャウダー(アメリカ)

f:id:autres:20160418231318p:imageボルシチ(ロシア)

f:id:autres:20160418231425p:imageトムヤンクン(タイ)

 

例えば、ニンジンに含まれるβカロチンには抗酸化作用は、ニンジン・ジュースよりスープ(煮汁)にした方が約100倍も効果が期待できます。抗酸化作用は、生野菜の約100倍!加熱しても壊れないファイトケミカル。ジュースにするより、スープがよいなんて!

身体を変えることが出来るファイトケミカルスープを、どんどん飲みましょう。

いつもお読みいただき感謝しています。


◻️ファイトケミカルの分類と種類のまとめ

【主なファイトケミカルの分類】
1.
カロチノイド系ファイトケミカル/βカロチンなどは600種類もある。オレンジ色でβカロチンが豊富
2.
フラボノイド群ファイトケミカル/フラボノイド系ファイトケミカル・非フラボノイド系ファイトケミカル
3.
フラボノイド群ファイトケミカル/フラボノール、フラボン、カテキン、フラバノン、アントシアニン、イソフラボンなど。ほとんどの植物に存在し5千種以上ある。糖質と結合したフラボノイド誘導体は4万種にものぼる。黄色の色素。バナナ、レモン、グレープフルーツ、パイナップル、豆類で抗ガン作用
4.
フラボノイド群/5000種類以上が知られている・抗酸化作用・抗ガン・坑炎症・抗アレルギー作用。フラボン骨格と言う中心構造を持つフラボン・フラボノールと、フラバノン骨格を中心構造を持つフラバノンとフラバノール、イソフラボン類、アントシアニン類に分けられる
5.
フラボノイド系ポリフェノール/カテキン・アントシアニン、単一の分子から構成される。苦みを感じさせる。赤ワインなど
6.
ポリフェノール/フラボノイド系ポリフェノールの非フラボノイド系ポリフェノール
7.
非フラボノイド系ポリフェノール/没食子酸
8.
フラボノイド系タンニン/水に溶けにくいタイプ
9.
非フラボノイド系タンニン/水に溶けやすいタイプ
【主なファイトケミカルの一覧と関連物質】
10.
アルカロイド/免疫システムの強化・ピーナツ
11.
アントシアニン/ポリフェノールで、通事青い花の色を持っている色素。サツマイモ、ブルーベリー、ブドウ。水に溶かすと酸性では赤色、中性で紫、アルカリで青色を示す。抗酸化物質。視力の回復に役立つ。落花生には同様の働きをする成分が含まれる。
12.
アントシアニジン/プロアンソシアニジン
13.
イソフラボン系/大フラボノイド群:ダイズイン・ダイゼイン・ゲニスチン・ゲニステイン・グリシチン・グリシテイン・アセチルダイズイン・アセチルゲニスチン・アセチルグリシチン・マロニルダイズイン・マロニルゲニスチン・マロニルグリシチン、大豆・緑豆。女性ホルモンのように働き乳ガンや更年期障害、骨粗鬆症を防ぐ。更年期の自律神経失調症の予防
14.
インドール/アブラナ科植物、抗ガン効果。免疫系を賦活し、体内に侵入した異物を除去する。ファイトエストロゲンの働きをし、女性ホルモンのエストロゲンの過剰な働きを抑える。乳ガンの発生を抑制する。
15.
イソチオシアネート/発ガン物質を活性化する酵素を阻害し、解毒作用によって発ガン性を抑える。クレソン、ブロッコリー、キャベツ、西洋わさび
16.
エストロン/女性ホルモンのエストロゲンのような働きをする。ザクロや大豆に含まれる。更年期障害や骨粗鬆症に有効。ゲニスチンも同類
17.
エラグ酸/石炭酸の一種、イチゴやラズベリーに存在する
18.
カロチノイド群/600種以上・人参、カボチャ、トマト、豆(大豆・緑豆等)、サツマイモなど。心臓病、脳卒中、肺ガン、乳ガン、子宮癌、直腸癌、前立腺ガン等のガン抑制効果。コレステロール値の低下、免疫力向上
19.
カテキン/フラバノールに分類される。カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸エピガロカテキンがある。お茶、リンゴやチェリー、梨・抗酸化作用
20.
カンサキサンチン/カロチノイド系:βカロチンと同様に光線過敏性疾患に有効。遺伝性疾患の赤血球産生性プロトポルフィリン症に有効
21.
ギャバ/γアミノ酪酸・脳神経伝達物質、米胚芽に含有
22.
ギンコノイド/銀杏の抗酸化物質
23.
クマリン/全粒穀類、胚芽、パセリ、人参、ブロッコリー。コレステロール値の低下作用、坑血栓作用、抗ガン作用
24.
クマリン誘導体/
25.
クリピトキサンチン/細胞の突然変異を抑制する働きをする。坑突然変異特性・ピーナツ
26.
グルコシド/サポニン類、腫瘍細胞の増殖抑制:緑豆、ピーナツ
27.
グルコレート/発ガン物質と毒素を取り除く/野菜果物・豆穀類及び人間の体内に存在する。
28.
ゲニスチン/大豆・緑豆
29.
ゲニステイン/イソフラボン系:大豆、緑豆イソフラボンの仲間でガン細胞の増殖を抑える。細胞がガン化して増殖するときはチロシンキナーゼの酵素が活発に働くが、ゲニステインがチロシンキナーゼの働きを抑制してガン細胞の増殖を抑える。ピーナツ、大麦にも含まれる。
30.
ケルセチン/赤ブドウの種・野菜・LDL抑制・細胞毒性の低減。大豆、緑豆にも含有。玉葱及び玉葱の皮。抗酸化物質でフリーラジカルの毒性を中和して、動脈硬化による心臓病や脳血管障害、癌の予防に役立つ。
31.
ケンフェロール/
32.
ゴマリグナン/胡麻のファイトケミカル
33.
サポニン/脂質の代謝を促進し、身体に吸収されたブドウ糖が脂質になって、脂肪細胞に蓄えられるのを防ぐ。コレステロール値を低下させ、中性脂肪を安定化させる。高脂血症の改善に役立つ。腫瘍細胞の増殖を抑制し、脂肪の摂りすぎによる肝臓障害を防ぐ。大豆・緑豆等の豆類やインゲン豆、ひよこ豆、レンズ豆、ニンニク、玉葱に含有する
34.
サンフェノン/お茶のポリフェノールの一種でカテキン類、虫歯や歯周病に有効
35.
シリマリン/肝疾患効果
36.
植物ステロール/全粒穀物・胚芽
37.
植物ステロイド/リンパ球の生産増加、免疫強化、ガン細胞抑制効果
38.
スコパドゥルシン/抗ガン特性、坑ウィルス性:ピーナツ
39.
スルフォラファン/アブラナ科の野菜に含有する。発ガン物質を体外に排出する。ブロッコリーにはピロリ菌を駆除するスルフォラファンが含まれる。
40.
石炭酸(フェノリック・アシド/フェノール)/多くの果物に含有。エラグ酸は化学物質の発ガン性のダメージを緩和する。イチゴ、ラズベリー等に見られる。全粒穀物・胚芽部分
41.
セサミノール/過酸化脂質を抑制し、細胞の老化を防止する。坑ガン効果の発揮。胡麻油、米胚芽油
42.
ゼアキサンチン/カロチノイド群・抗酸化物質でガン細胞の生成を抑制する。網膜の変性を防ぐ。目の老化、視力の低下、白内障に効果。網膜の黄斑にのみ存在する。ホウレンソウ、トウモロコシ、オクラ、ケール、キャベツ、ビートなどに含まれる。抗ガン特性・ガン予防特性。ゼアキサンチンの進化した形が大豆や緑豆に含まれる。
43.
ダイゼイン/大豆・緑豆。落花生にも含まれる
44.
ダイジン/大豆・緑豆
45.
ダイエタリーファイバー/大腸の機能を円滑にし、便秘の解消、大腸ガン、静脈瘤,痔の予防効果。蟹やエビの甲羅、海草、キャベツ、ピーマン、リンゴ、カボチャなど
46.
タンニン/多糖類やタンパク質と結合している複雑な構造のポリフェノール、渋みの強調
47.
チオール群/ネギ属・ニンニク・ネギ・玉葱・アサツキ・スカアリオンなど:硫酸アリル
48.
テルペン群/主にリモネンなど・柑橘類の果皮の中に存在。肺の細胞を守り、腫瘍の成長抑制・発ガン物質の活動抑制。コレステロールの除去や血栓を溶かし、動脈硬化を改善する。サクランボ、レモン、柑橘類
49.
ナリンギン/フラボノイド系:ナリンゲニンというフラボノイドが糖と結合した配糖体。柑橘類に豊富、ユズやミカン、グレープフルーツなど。配糖体は肥満のもととなる脂肪細胞を抑制する。糖尿病の改善。ナリンギンが肝臓の酵素の一部に働きかけ、高血圧のカルシウム拮抗薬屋睡眠薬の一部と相互作用を起こし、増強する。
50.
ノルトリペルペン/サポニン類、腫瘍細胞の増殖抑制・緑豆、ピーナツ
51.
ピクノジェノール/ブドウの種・抗酸化物質
52.
フラボン系/アビゲニンやルテオリン。柑橘類、ブドウ、大豆・緑豆の一部
53.
フラボノール系/ケルセチン、ケンフェロール、ミリセリンなど。玉葱、ほうれん草、ケール、パセリ、リンゴ、大豆・緑豆
54.
フラバノン/ヘスペジリン、ナリンゲニン。オレンジ、レモンなどの柑橘類。
55.
フェノール酸/発ガン物質を活性化する酵素を阻害し、解毒効果を高める。ナッツ類、柑橘類、人参、ブロッコリー、全粒粉、豆穀類胚芽
56.
ファイテート/細胞の老化を予防する。活性酸素の生成を抑制する。全粒粉、大豆、緑豆、シリアル
57.
フォスファチジルコリン/
58.
プファフォシド/サポニン類、腫瘍細胞の増殖抑制、血中血糖レベルの調整
59.
ヘスペリジン/フラボノイド系:柑橘類に豊富、ユズやミカンなど。配糖体は肥満のもととなる脂肪細胞を抑制する。糖尿病の改善
60.
ポリアセチレン/タバコの煙の有害物質、ベンツピレンなどから守る。パセリ、人参、セロリ
61.
ミリスチン/赤ブドウの種・野菜・腫瘍形成阻害・大豆には含まれない
62.
メイタンシノイド/抗腫瘍・坑白血病
63.
メイタイン/坑皮膚癌特性
64.
メイタンシン/子宮癌、リンパ腫抑制効果
65.
モノテルペン/坑酸化作用を発揮し、体内でのコレステロールの生成を抑制する。キャベツ、パセリ、人参、トマト、なす
66.
ラノステロール/抗ガン特性・ガン予防特性
67.
リグナン/セサミン、セサモリン、セサミノール、セサモール。アマの種子、ゴマ、無精白の穀類。米胚芽、米胚芽油に含まれる。抗酸化作用・抗ガン作用。ガンが成長するための新生血管の形成を抑制する。大腸ガンや乳ガンになるリスクを軽減する。肝臓で威力を発揮する。善玉コレステロールを増やす。ファイトエストロゲンの働きをする。
68.
リモネン/細胞を保護する酵素を活性化し、抗菌作用を発揮する。胃腸の機能を活発にする。柑橘類、セロリ、ウイキョウ
69.
リコピン/カロチノイドの一種抗酸化物質・トマト、パパイア、スイカ、アンズ、ピンクグレープフルーツに含有:乳ガン・肺ガン・消化器ガン・前立腺ガンの抑制、トマトのタンパク質と繊維に硬く結びついているため生では十分吸収できない。ニンニクと調理する方がよい。硫化アリルが発ガン作用のある物質を処理する働きがある。βカロチンより強い抗酸化作用を示す。落花生にも含まれているが研究の段階にある。
70.
硫酸アリル/アリルプロピルジスルフィドヤジアルスルフィドなど。アリシン。ニンニクやネギ類。有機硫黄成分:コレステロール値低下や血栓減少、殺菌作用.NK細胞を活性化させる。硫化アリルは水溶性のため玉葱などを水にさらすと流出する。
71.
ルチン/カロチノイド群・毛細血管壁が脆くなるのを防ぐ。高血圧を防いだり、血中コレステロールを低下させる。抗酸化作用の他、心臓病の予防、抗菌・坑ウィルス作用を発揮する。ルチンは水に溶けやすい。白内障に効果。目の網膜の変性を防ぐ。網膜の全体に分布する。トウモロコシ、カボチャ、卵黄、ホウレンソウ、ケール、キャベツ、ビートなどに含まれる。ルチンの進化した形が大豆や緑豆に含まれる
72.
レズベラトロール/ラズベリー・落花生に含まれる。一種の抗菌物質で化学的にはファイトアレシキンと呼ばれる。癌のアポトーシスを促進させる。
73.
レンチナン/