「別離」鑑賞

夏は早朝。

 

 

 

 

爽やかな風が首筋を撫でて通り過ぎる。ワンコと夙川沿いを行けば、ジリジリと陽が顔をのぞかせ始める。大事なことを考えるなら、夏は早朝に限る。

 

マレーシアから帰国された内田師範のお稽古。半身からの展開。全体に母指球ですり足、両手U字の形の維持を意識。意識しすぎると、肩に力が入り、上半身と下半身がちぐはぐに。やはり、足捌きと正しい立ち位置が、合気道での技の基本だとのご指導。

 

前半、身体が重かったのですが、後半には軽くなりました。

その前夜、重たい映画を鑑賞したせいか・・。

 

 

 

 

 

イラン映画と聞くと、それだけで敬遠してしまいがちだ。アメリカを中心としたキリスト教文化の国々からの刷り込みは強力。くわえて、最近は、自身の仕事や家庭のことで忙しく、劇場で鑑賞する時間もなければ、ハッピーエンド、あるいはスカッとする内容の作品を選んでしまう傾向。

まして、「家族の別離」を題材にした作品だと聞くと、自ら手に取ることは稀に。後で調べると、世界中で映画賞を総なめした有名な作品でした。

 

結論から書かせていただくと、この映画、「ぜひ、もう一度観たい」と思わせる秀逸な作品。自分自身の現状と照らして、胸に刺さるものがありました。

今回、シネマ部で初めてのDさまのご担当。

 

 

 

冒頭から、夫婦の離婚調停の場面から始まり、その顛末を軸に、誰にでもおこりえる小さな事件を積み重ねて物語りは進んでいきます。

 

 

 

同時に父親の介護(アルツハイマー発症)、父権社会での女性の地位(社会進出が困難)、イスラム教の厳格な戒律(女性は勝手に、男性の体に触れてはならない)、中流と下層家庭の貧富の差、幼年期の子供の心理など、演技、三段落ちの見事な脚本、効果的な場面の切り替えにより、最後まで張り詰めた緊張感の心理サスペンスとして、観るものを引き込んでいきます。時系列で、物語は進行し、回想シーンはまったくありません。ゆえに、観客は自らの記憶をたどり、スリリングな展開に引き込まれるのです。

 

 

 

イランというとイスラム教の厳しい戒律、父権社会風習が頭に浮かびます。イスラム社会もまた、西側諸国と同様に成熟度を増すと壁にぶつかっているのです。子供、夫婦、高齢者、それぞれの立場で抱える様々な問題は、文化や宗教の違いこそあれ、万国共通、東西の差異なく存在し、劇中で描かれているのは、人間に共通する普遍的な心理。

 

 

 

 

それにしても、二つの別階層の家庭に育つ女の子が、大人の事情に翻弄され、重大な選択を強いられる場面には胸が締め付けられました。

アルツハイマーの父を抱えた銀行員の主人公ナデルと英語に堪能な教師の妻シミン、そして彼らの娘テルメー。イランの知識人階級の極めて現実的な人間ドラマは、ラスト・シーンも秀逸。脚本の見事さは、驚き以外の何物でもありません。

 

 

映画『別離』予告編

 

 

シネマ部F様のお話しでは、続編も存在するようです。

近いうちに、再度、見直したくなる作品でした。

 

担当のDさま、素晴らしい作品をありがとうございました。

 

 

 

 

 

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